社労士池原の労務管理日誌

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zoom RSS 嘱託再雇用時の有給休暇の付与の考え方

<<   作成日時 : 2018/11/10 11:56   >>

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【ご相談内容】
当社の定年後の再雇用は、継続雇用ではなく新規雇用で新たに雇用契約を締結し直しています。
この場合、有給休暇の付与はどのように考えればよいのでしょうか?
定年退職時に従前の有給休暇は消滅し、再雇用後6ヵ月間は、有給休暇を付与しなくても問題ないでしょうか?

【私からの回答】
現在の高年齢者雇用安定法に基づく高年齢者雇用制度においては、定年を定める場合には、60歳を下回ることができません(第8条)。
また、65歳未満の定年を定めている事業主は、65歳までの雇用を確保するため、希望者全員に対して、次のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じる義務があります(第9条)
@定年の引上げ
A継続雇用制度の導入
B定年の定めの廃止

ここでいう継続雇用制度には、再雇用制度と勤務延長制度があります。

再雇用制度とは、社員をいったん退職扱いにした後に再度雇い入れる制度のことです。定年を迎えたら一度、退職の手続きをとります。
退職後、新たな雇用契約を締結するため、嘱託やパートアルバイト、契約社員など雇用形態を変更する事も可能です。また、退職金は、定年時に支払われます。

勤務延長制度とは、定年年齢で雇用を終えずに、そのままの雇用形態で雇い続けます。原則として、役職・職務、仕事内容、賃金水準などは変わりません。従来の勤務延長ですので、労働条件の変更はありません。退職金は勤務延長期間が終了して本当に退職する時に支払われます。

今回ご相談の会社様では、いったん退職して新たに雇用するとのことですから、再雇用制度を採用されているわけですが、このとき、定年退職時にこれまでの有給休暇は消えるのか、それとも権利を承継するかについては、行政通達があります。

年次有給休暇の継続勤務に関する行政通達(昭.63.3.14 基発150)
「継続勤務とは、労働契約の存続期間、すなわち在籍期間をいう。継続勤務か否かについては、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものであり、次に掲げるような場合を含むこと。この場合、実質的に労働関係が継続している限り勤務年数を通算する。」
イ 定年退職による退職者を引き続き嘱託等として再採用している場合(退職手当規程に基づき、所定の退職手当を支給した場合を含む。)
ただし、退職と再採用との間に相当期間が存し、客観的に労働関係が断続していると認められる場合はこの限りでない。

つまり、この行政通達によると、「継続勤務か否かについては、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものであり」とあり、イのような場合「定年退職による退職者を引き続き嘱託等として再採用している場合」は、「実質的に労働関係が継続している限り勤務年数を通算する」ことになります。

従って、定年退職者を継続雇用で再雇用した場合においても、年次有給休暇については定年退職前から継続勤務しているものとして取り扱わなければならず、定年時に未消化の年次有給休暇があれば、その権利は引き続き継続します。また、新たな年次有給休暇の発生日が到来すれば、未消化分は翌年度に繰り越されるとともに、過去の勤続年数に応じた年次有給休暇の日数を付与しなければなりません。

尚、再雇用時において、新たな雇用契約により所定労働日数が変更された場合は、再雇用後に付与される有給休暇は、変更された所定労働日数を基準に、付与されることになります。これは、有給休暇は、将来に向けて使用する権利であり、付与される日時点の勤務実態に応じて与えられるものと解釈されているからです。


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フロネーシス社会保険労務士法人
社会保険労務士 池原伸
電話 06-6777-8610
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