新卒採用の雇用保険資格取得日はいつにすべきか

【相談内容】
当社は、今年から新卒採用を始めました。今年卒業するA君に対して、3月の上旬に4月1日付で採用する旨の内定を出し、3月21日から研修を開始しました。大学の卒業式は3月25日にあり、A君は、3月31日までは大学生として在籍することにとなっています。
この場合、A君の雇用保険の取得日はいつにすべきでしょうか?

【私の回答】
昼間学生は、原則として雇用保険に加入することはできませんので、A君は3月31日までは雇用保険の資格取得手続ができないようにも思われます。

しかし、この原則には2つの例外があります。
例外①
卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に就職し、卒業後も引き続き当該事業に勤務する予定の者
例外②
休学中または一定の出席日数を課程修了の要件としない学校に在学する者(これらの事実についての学校当局の証明書があるときに限る)であって、当該事業において同種の業務に従事する通常の労働者と同様に勤務し得ると認められる者

そこでA君がこの例外に該当するかどうかを検討する必要があります。
本件では①に該当するかどうかが問題となります。

例外①には「卒業前に就職し」とあります。
しかし、A君の入社日は4月1日であり、A君は3月21日の段階では研修に従事しているだけで就職しているわけではありません。
もっとも、形式的に判断するのではなく実態に即して判断するべきですから、この研修がどのような研修なのか、就職したものと同視できる程度の研修か否かが問題となります。

ここで参考となるのが、研修期間中の者が労災保険法上の「労働者」にあたるか否かの判断基準です。

厚生労働省の判断基準では、
①内定者に支払われる賃金が一般の労働者並みの賃金であり、少なくとも最賃法の規定を上回っていること
②実際の研修内容が、本来業務の遂行を含む研修期間中であること
③それらが使用者の指揮命令の下に契約上の義務として支払われているものであること
の3つの条件が満たされたとき、研修中でも労災保険の適用があるとされています。

したがって、今回のご相談いただいた会社での研修が上記3つの条件を満たす場合は、就職したものと同視できると解釈でき、その場合は、3月21日から雇用保険を適用することが可能と考えられます。

他方で、上記の条件を満たさない一般的なマナー研修のような場合は、就職したものと同視できず、この場合の雇用保険加入日は、4月1日になると思います。


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SR人事労務総合研究所
社会保険労務士 池原伸
電話 06-7652-9289
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