社労士池原の労務管理日誌

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zoom RSS 1年単位の変形労働時間制で休日振替は認められるか

<<   作成日時 : 2016/10/09 08:33   >>

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【相談内容】
当社では1年単位の変形労働時間制を採用し、予め1年間の会社カレンダーで休日を定めています。
この度、パソコンのメンテナンスを休日に行うことになったため、特定の社員を休日に出勤させようと考えています。
この場合、休日の振替により対応することは可能でしょうか?

【私からの回答】
1年単位の変形労働時間制は、1日8時間、1週40時間という法定労働時間を超える期間が業務の関係上予め想定される会社において、1箇月を超える1年以内の期間を指定し、その期間を平均すると1週40時間を超えないのであれば、法定労働時間を超えて労働時間・休日を設定できる制度です。

この制度を適用するためには、予め労使協定を締結し、かつ労働基準監督署への届出が必要となります。
このような届出が必要とされる趣旨は、1年単位の変形労働時間制が、そもそも労働時間は1日8時間、1週40時間までと定めれている法定労働時間の例外を認める制度であり、また最長1年間という長期間を対象として変形させるものであるため、労働者にとって過酷な制度であるという考え方があります。

したがって、会社カレンダーで休日を定めている場合、それは労働基準監督署に届出がなされたカレンダーであり、届出に当たって会社は、通常の業務から生じることが想定される事情は考慮した上で定めている以上、通常の業務の繁閑等を理由として休日振替は、1年単位の変形労働時間制を採用できないことになります。

この点、裁判例では、1ヵ月単位の変形労働時間制において勤務日や勤務時間の変更を行うためには、就業規則に、労働者が予測可能な程度に具体性のある変更事由を定めた編変更条項が必要であり、それがない場合は、同法第32条の2違反として無効であると判断されています(JR東日本 横浜土木技術センター事件 東京地判平12・4・27)。
つまり、どういう場合に休日振替を行うかについて、労働者が予測可能な具体的な事由を就業規則に定めておく必要があるわけです。

今回のご相談事案では、パソコンのメンテナンスによるものですが、この場合に休日振替が可能である旨の記載が就業規則にあるかどうかで振替可能かどうかが判断されることになります。

また、1年単位の変形労働時間制については、労働基準法施行規則第12条の4第5項で、「連続して労働させる日数の限度は6日、ただし、特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度は1週間に1日の休日が確保できる日数とする」と定められています。

このため、1年変形労働時間制に関する休日振替の可否は、
@就業規則に、いかなる場合に振り替えることがあるかという具体的な事由が明記された振替根拠規定があり
A対象期間(特定期間を除く)においては連続労働日数が6日以内となるように
B特定期間においては1週間に1日の休日が確保できるように
振り替える必要があります。
なお、ここでいう「1週間に1日の休日が確保できる」とは、たとえば、日曜日に休日を与えた場合、翌週の休日を土曜日に与えれば、最長で連続12日勤務が可能という意味です。

なお、上記要件を満たし、振替を行った場合でも、振替により所定労働日に変更された日は、あらかじめ8時間を超える所定労働時間が設定されていたわけではないため、その日の労働時間は、8時間までとなり、8時間を超えて働いた場合は時間外労働となります。
また、振替休日を行った結果、週の労働時間が40時間を超えた場合は、その超えた時間も時間外労働としなければなりません。


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フロネーシス社労士事務所
社会保険労務士 池原伸
電話 06-6777-8610
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